My Godness~俺の女神~
第7章 ♯Pray(祈り)♯
深々と頭を下げると、医師はにこやかに笑った。やはり、分娩中は緊張していたのだろう。別人のように晴れやかな明るい表情をしている。
「母子ともに、一時は危険な状態でした。赤ちゃんの方は早産で生まれたので、これからしばらく保育器に入ることになりますが、大丈夫、元気で大きくなりますよ。どうなるかと心配しましたが、とにかく母子ともに無事で良かった。お母さんがよく頑張って持ち堪えましたね。眼が覚めたら、奥さんをたくさん褒めてあげてください」
「はい」
悠理は頷いて頭を下げた。
今日という日に生まれたばかりの太陽が真新しい光を地上に投げかける。
もう二度と、実里に逢うことも、彼女が生んだ俺の子に逢うこともないだろう。
だが、それで良いのだ。
大切な人たちの前に、彼は姿を現さない方が良い。彼等の人生から永遠に立ち去り、消えることが悠理なりの愛情の示し方なのだ。
透明な朝陽が遠ざかる悠理の背中を照らし出し、病院の白っぽい廊下をひとすじの道のように浮き上がらせている。
静かな病院の朝であった。
「母子ともに、一時は危険な状態でした。赤ちゃんの方は早産で生まれたので、これからしばらく保育器に入ることになりますが、大丈夫、元気で大きくなりますよ。どうなるかと心配しましたが、とにかく母子ともに無事で良かった。お母さんがよく頑張って持ち堪えましたね。眼が覚めたら、奥さんをたくさん褒めてあげてください」
「はい」
悠理は頷いて頭を下げた。
今日という日に生まれたばかりの太陽が真新しい光を地上に投げかける。
もう二度と、実里に逢うことも、彼女が生んだ俺の子に逢うこともないだろう。
だが、それで良いのだ。
大切な人たちの前に、彼は姿を現さない方が良い。彼等の人生から永遠に立ち去り、消えることが悠理なりの愛情の示し方なのだ。
透明な朝陽が遠ざかる悠理の背中を照らし出し、病院の白っぽい廊下をひとすじの道のように浮き上がらせている。
静かな病院の朝であった。