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車内プレイ

第2章 車内プレイ1

数時間前の事。


『美羽さん、送って行かなくて本当に大丈夫か?』

『はい!大丈夫です。』

『心配だな。気を付けてな。』

『大丈夫ですので!さようなら!』

私は生徒会の会長、桐谷先輩と生徒会の仕事を終えて今別れたばかり。送って行ってくれると言われたけど桐谷先輩は反対方向だから断った。

私、山口美羽は初めての高校生活、不安もあったけど生徒会に入ったお陰でそんな不安も吹き飛んだ。これも桐谷先輩のお陰かな。

昔から大人しく引っ込み思案の私は友達も出来ず一人で居る事が多くて。そんな性格が嫌で生徒会に入って変えていこうと思った。

桐谷先輩と別れてから自分の家まで歩く。家は学校から少し離れているけど歩いて通える。

『わっ…ここの道かなり暗いんだ…』

家まで帰る道のりの間に田んぼ道があり、回りは田んぼだけで月と星の明かりしかない。夕方はまだ少し明るいが今日は生徒会の仕事が長引いて20時を回っている。

『はあ。嫌だな…』

重い足を上げ歩き出そうとしたら後ろから腕を引っ張られた。

『え?きゃっ…!』

私は急の出来事で抵抗も出来ずそのまま車に乗せられた。その際、座席の部分に頭を打ち記憶が掠れていった…。


『いったあい…』

目を開いた瞬間、頭に鋭い痛みが走った。

『って、あれ?ここは?ああ…私…』

周りを見渡す。狭い車の中。窓は黒いカーテンが付けられていて外から見れない。座席はシートが倒されていて大人二人が寝れるくらい。ここで私は誘拐されたんだと気づいた。

『痛い…』

あまりの痛さに頭を擦る。たんこぶが出来てるみたい…。っというより!

『手、縛られてなかった…よかったあ…』

誘拐しといて手縛らない誘拐犯が居るんだと思い感心した。それより肝心な誘拐犯が居ない…。

『逃げれるかもっ!』

私は急いでドアを開く、が。どうやらそこまで誘拐犯もアホじゃないらしい。車の事はあまり詳しくないが内側からロックされてるよう。
昔、父に教えて貰った事がある。扉の部分に小さなスイッチがありソコを押すと扉がロックされ車の中に居る人は内側から開けれないと。父は危ないから“絶対に押してはイケナイ”と。

ガチャガチャ

外から鍵が開く音がして私は慌ててドアから離れ座り直した。

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