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捨て犬と俺と…

第6章 犬との散歩

リスカ…




翔の左手首には複数のリストカットの傷があり少し血が滲んでいた。



俺があの時強く握ったからだ…

そういえば、ずっと前もこの傷を見た。

俺は翔のことなんも知らないんだ…自分に失望した。
ちょっと最近落ち着いてきたからって調子にのってまた辛い思いをさせて…



何も分かってなかった事の悔しさともどかしさが急に押し寄せてきた。



「…翔…ごめん。やっぱ買うのはまた今度にしよ。帰ろう?」


翔「えっ…?あ、、うん。」


明らかに翔の表情が暗くなったのを見て見ぬ振りして、俺は早歩きで翔が後ろからついてきてるかを確認しながら歩いて、それから一言もかわさなかった。

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