
捨て犬と俺と…
第9章 壊れた想い
チャイムがなって、教師が出席をとる。でもそのときはまだ空斗が席についてなかった。
どこいったんだ…
心配だけど、どうすることもできず授業が始まった。
そのまま時間がたって一時間目が半分くらいすぎたころ、教師にばれないよう後ろのドアからそーっとはいってくる空斗がきた。生徒たちはその空斗の存在に気づいてクスクス笑っていた。席に座った空斗に思いきって大丈夫か?って声をかけてみたけど俺の目なんて一瞬もみないうちに顔を机に伏せた。
それからも他の友達といたりして
不気味に口角を上げて常に笑顔を保って何事もなかったように過ごしていた。ただいつもと違うのが空斗の隣には俺がいない。今日はなんだか避けられてる。それもそうか。俺がもし空斗の立場でも同じ行動をとる。
空斗と話したい。またいつもみたいに笑っていたい。
話し合わなきゃ。気持ちはあるのに身体が動かない。また空斗を傷つけたらどうしよう。そう思うと何もできなかった…
長いようであっという間だった今日は終わりいまだに曇った気分で家へ帰る。
翔「おかえり!今日早かったね」
翔「……陸?」
「…えっ……あ、ごめん!なんでもないから。ちょっと今日先風呂入ってくるわ」
