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ヒュリカ ~僕だけをみて~

第3章 誘拐

---胡桃side---

キーンコーンカーンコーン…


先生『…以上』

生徒「きりーつ、礼。さよならー」

『「さよならー」』



ガヤガヤ…

『…でさー』 「マックいかねー⁇」「…きゃはは…」







胡桃はHRが終わったあとも席に座ったまま


ほおずえを付き

教室の半分だけ開けられた窓から外の景色を見ていた



さっきの通り雨で美しく彩られた紫陽花の花が好きだった






(学校かったるいなー)


頬を撫でてくる、少し水分の含んだ湿り気のある風は
薄暖かい夏の薫りを帯びて、蟬が長らく過ごした土から這い上がっているように思われた





今日もいつもと変わらず、つまらない日常が足早にすぎていく





自分の命が何のためにそこにあるのかを
ただ無性に知りたかった











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