××UnderDiary
第5章 戌原西地区の殺し屋
街頭がともり始めた帰宅路の道のりを、悠理は険しい表情で歩んでいた。
明日の朝8時から生徒会室へ来るよう爽真に言い渡されたことももちろん関係していたが、それよりも何か逃げ道はないかと探すことで思考は埋め尽くされていた。
性行為も済ませていない女子高校生とはいえ、5年間半ば社会の裏で生活をしてきたのだ。
ただ泣き寝入りをするほど肝の小さい女ではない。
しかし、映像がある以上下手に動けないのが現状だった。
薬や拘束具、撮影機材まで用意するような用意周到な男がそうそうデータの在り処を晒すわけがない。
――そうなると、残るのは……。
自身の痴態を思い出さないようにしながら、悠理は右手に下げていた学生鞄を握りしめた。