All Arounder
第13章 Tear
「おいおい姫ちゃん…
もう夜遅ぇから、さっさと寝てきな」
斉藤はその手を離そうとするが
『そばにいて…///』
姫の手は、さらに強く掴んでくる
「あのなー姫ちゃん…」
『お願い…///』
あたし
どうかしてる
「オレおっさんだって…」
『いいの…、抱いて///』
あたし本当にどうかしてる…
でも
でもこの人が
この人の愛情が
欲しくて欲しくて仕方ないの
「…誘ってんの?」
『…///』
姫は黙って斉藤の手を引いた
斉藤は抵抗することもなく、引かれるまま
姫の上に被さるようにした
「マジで言ってんのか?」
姫は小さく頷き、斉藤の首に手を回した
「でも姫ちゃん…」
『お願い…///』
斉藤はゆっくり、姫の首筋へ顔を沈めた
『っ…///』
不思議な気持ちだった
温かい舌が首を這うと、くすぐったく…
しかし全然嫌ではなかった
『ん…///』
思わず強く抱きしめる
しかしまだ、自分が求める愛情は見えてこなかった