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All Arounder

第20章 Side By Side





「は、離せ黒羽!!」



「…よくも騙してくれたな」




黒羽は男を押し倒すと、銃を持った手をギリギリと締め付けた


痙攣したような感覚に、男の手からは銃が落ちる




「くっ…お前に金の話を持ち掛けたところで、反対するのは目に見えていたからな…」



「当たり前だ。お嬢様に害を与えるものを、俺は許さない」



銃が落ちたことをちらっと確認すると、黒羽の手は握りこぶしを作り
男の顔面を打ち付けた




「ぐはっ…く、黒羽あ!!」




「とりあえず、黙れ」




黒羽は、男が口を利けなくなるまで殴りつづけ





いつの間にか動かなくなったことに気づくと、何事もなかったかのように立ち上がった






姫は辺りの惨状に息を呑んだ



たった二人で…こんなにたくさんの相手をしたとか…




使用人たち、息してんのかなぁ?





「お嬢様」




『は、はい!?』




姫はとっさに大志から体を離し、黒羽の方に向き直った



「お怪我は、ございませんか?」



『へ?あ…うん』




「そうですか…」




黒羽は安堵の表情を見せた



そして一呼吸つくと、いきなり深々と頭を下げた





『!!?』





「このようなことに巻き込んでしまい…本当に申し訳ございませんでした…」











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