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All Arounder

第20章 Side By Side




「なっ、何してんだてめぇ!!」


大志は姫を、黒羽から引き離した



黒羽は立ち上がると、大志を睨みつけた




「何するんですか?」




「そりゃこっちの台詞だ!!姫に触んじゃねぇよ!!」




「あなたこそ、お嬢様に触れないでください。
あなたがお嬢様にとっての害であることに、違いはないのですから」



「んだとコラ!!!」




大志は黒羽の胸倉を掴み上げた

しかし黒羽は、ただ見下すような目しかしない



「あなたとお嬢様がどういう関係か知りませんが…
俺ほどお嬢様を思っている人間はいない」



「てめぇいちいち言うことが恥ずかしいんだよ
その固そうな脳みそ、柔らかくしてやろうか?」



「くす、お互い様じゃないんですか?」



「てめぇ使用人の分際で…」




今にも喧嘩でも始まりそうな勢いだったので
姫は間に入った



『まぁまぁ、二人とも…
とりあえず丸く収まったんだし、良しとしようよ』



「「収まって
ねぇ!!
ません!!」」




『えー…』




「だいたい、お嬢様を誘拐したのはあなたなんじゃないんですか?」



「なっ…ち、ちげぇよ!!
姫がさらって欲しいって言ってきたんだ!!」



『(言ってないし)』



「結局あなたが誘拐したってことですよね
仕方ない、警察に届けましょう」



「てぇめぇ…」




『く、黒羽はこれからどうすんの?』



「私ですか?」




黒羽は姫に向き直った







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