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「おい、大志…大志!!」




「うっせぇな、聞こえてら…大声出すんじゃねぇよ」




井上は地面を指差した




「…この下だ」




「わかってるっつの」




大志はその場に腰を下ろした



腕時計にライトを当て、時刻を確認する




「閉館までは、…あと１時間か」



「１時間も？
かー、退屈～」




「だからでけぇ声出すんじゃねぇ。聞こえたらどうすんだ」



「はいはい、すんませんでしたー」





二人がいる場所は、とある美術館

しかも館内の屋根裏にいた




今回の依頼、内容は簡単



この美術館に飾られている"夕暮れ"という絵画を盗むこと



昨日のうちに、館内での警備員の巡回時間などを調べ

今日決行することにしたのだ



そして今いる場所の真下に、"夕暮れ"がある




「気長に待つかー」



「おう」



井上が寝転がった時、突然下から悲鳴が聞こえた



!!?




「…何だ？」


「さあな」



大志は、事前に作っておいた覗き穴から下の様子を見てみた




「…」




えらく人が集まってんなぁ…



額から絵でも落ちたのか？



すると今度は、こんな声が聞こえてきた


「ひっ、人が死んでるー!!」




それを聞いた大志と井上は、顔を見合わせた




…これは…面倒なことになった