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All Arounder

第26章 Encounter





中坊は俺の目の前に立つと、思いきり睨みつけてきた




ほんとに中学生か?



背も高いし、何より顔つきがガキじゃない





「てめぇ…さっきからチラチラ見てくんじゃねぇよ」





「ばれてた?」




とぼけてやると、中坊は舌打ちし

わざと俺の肩にぶつかって歩いていった








「…」




さっきの

目も、口も、表情も、性格も





気に入った







俺は、興味半分でその中坊の後ろをついていった








しばらく歩いて行くと、中坊は立ち止まった



俺も立ち止まる






「用でもあんのか?」



中坊は顔だけこちらに向けた





「用はねーよ」




「ついてくんな」





ついて来るなと言われてついて行かないほど、素直な性格じゃねーもんでね




「今からどこ行くんだ?」




「…どこだっていいだろ」





また、中坊は歩き出した





特に嫌がるそぶりも見せないので、俺もまたついていった





すると、どこからともなく声がした



「大志ー」






…大志?




横を向くと、女子高生が一人


大志と呼ばれた中坊の元へと近づいて行くのが見えた







「大志遅いよぉ、10分遅刻だよ?」




女子高生は中坊に抱き着くと、いきなりその頬にキスをした





「やめやがれ…」




「やーん照れてるの?大志ったら可愛いんだから///
ね、早く行こっ」




女子高生は大志という中坊に腕を絡め

足を進めた







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