All Arounder
第26章 Encounter
「何だそれ?
チャンスやるから試してみろ的な言い方、マジうぜぇ」
大志はフラッと高校生たちに向かい合った
「めんどくせぇことは抜きにして、さっさと掛かってこいよ。何なら全員まとめてな」
!!?
いくら大志が喧嘩に強くても…20人を一斉にってのはきついんじゃねーか…?
「へえ、…それならお望み通り全員で…」
高校生たちが一歩前に踏み出した時だった───
「そのダーツ、俺がやってもいいよな?」
驚いて全員が振り向くと、そこに立っていたのは井上だった
「…誰だお前?」
「部外者は口を出すな」
高校生たちの視線が痛いが、井上は構わず大志のもとへ寄り、その肩を組んだ
「大志の知り合いなんだ、いいよな?俺が投げてもよ」
周りは黙り込んだ
井上に投げさせようか迷っているようだ
「…何しに来やがった?」
大志はボソッと呟いた
「何だその態度は?
お助けマン登場なんだけどよー」
「頼んでねぇよ」
「知ってらー」
すると高校生の一人が言った
「…わかった…いいぜ、投げろよ。そのかわり1本でも外せば、お前も一緒に袋だたきだ」
「初めっからそのつもりだっつーの」
井上はダーツの矢を受け取った