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井上は床にテープを引き、線を３本つけた




「時間は３０秒。
よく学校であった体力テストから…
とりあえずノルマは５０回くらいでいいだろ」



…だるまの巨体なら５０回はかなり厳しい

これでさっさと落としてやる




「姫は腕相撲負けたから、もう失格な」



『えー、酷い』



「公正すぎて困るくらいなんだけどな…」





だるまが真ん中のテープを跨ぐように立った




「準備はいいよな？」



「任せなさい」



こけろ




「３、２、１…ゴー!!」




シュバババババババ!!!



――――!!!??



目にも留まらぬ速さとはこのことを言うのか…





「大志…残像が見える…」



「に…人間じゃねぇ…」




シュバババババババ!!!



ピーー!!



３０秒経つと、セットしておいたアラームが鳴った



「あら、もう終わりなの？」



だるまはフゥッと息をつくと、その長い髪を掻き上げた





「結果…６５回…」




「この試験も合格のようね、さあ次は何かしら？」




…おのれだるま…




なぜその巨体でそこまで動ける…!?