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『だるまさん、落ち込まないで』



姫は心配そうにだるまの肩に手を置いた




「…ほっといてよ…どうせ負け犬のあたしを嘲笑ってるんでしょ？」




『あたしそんなつもりは…』





「だるま」




だるまのもとに、井上が歩み寄ってきた




「今回の試験、残念だったな」


「落としたのはあなたよ」




「その通り
俺は現実を言っただけだ」



「…」



だるまは黙り込み、俯いた




「けどな…」




その言葉に、もう一度顔を上げる




「All Arounderは無理でも、何でも屋は自分で開業したらいいじゃねーか」




「それじゃ…意味ないのよ…あたしは大志を可愛い声で鳴かせてやりたいのよ!!」




「何でも屋稼業やってたら、いつかそんな日が来るかもしれねぇだろ？
だからそんなに落ち込むなよ」




だるまは言葉に詰まり、井上を見つめた




「あなた…名前は？」



「井上退斗だ」




「退斗…そう、いい名前なのね…」





何だか、嫌な予感がした






「決めた。いつか大志と一緒に、退斗もあたしの奴隷にしてあげるわ
それまで…待ってなさい」




だるまはウインクと一緒に投げキスをかまし
優雅に部屋を出ていった














『大志、なんか退斗が固まってる』



「相当自分が仕出かした行為を悔やんでんだな」





大志は哀れな目をして、井上の肩を叩いた