All Arounder
第34章 After A Long Time
「…美空は?」
「さっき、学校行った」
「じゃあ…斉藤、仕事は?」
「今日は休み」
「そっか…」と言いながら、ゆうひは体を離した
そしてもう一度、涙を拭った
「数日前に…」
斉藤が口を開いた
「数日前に…大志に出会ったって男が、刑事科に来た。
元気そうだってよ」
「…ほんとに?」
「ああ。オレそっくりの男に殴られたって言ってた」
「…あいつったら…」
やっとゆうひの顔に、笑顔が戻った
思わず、そんなゆうひの顔を撫でてしまう
「なぁ、ゆうひ…」
「何?」
「子作りしよ」
ゆうひは驚いて目を皿のようにした
「は?
まだ作るの?」
「一人分、経済面でも余裕できたし、な」
「そういう問題じゃ…」
「大志が戻って来たとき、驚かせてやりてぇんだよ」
斉藤はまるで子供のように笑った
「…じゃあ…わかった///」
ゆうひは頷くと、部屋を出ていこうとした
「どこ行くんだよ?」
「食器片付けに…」
「後でいいじゃねぇか。
今からしよっ」
「あんた何言って…!?///」
と言いかけたところで、ゆうひは腕を引っ張られ
ベッドに押し倒された