All Arounder
第36章 Past
「…小泉…龍太郎?」
「うん、名字で呼んでくれていいよ
下の名前では滅多に呼ばれないし」
ニコッと笑った顔に、大志は小さく頷くことしか出来ない
差し出された手に握手すると、小泉は口を開いた
「大志は…親に、自分の名前の由来を聞いたことある?」
「…ねぇ…」
「その名前、俺が付けたんだよ」
!!!??
これには大志も姫もびっくりした
二人とも口をポカンと開けている
「ま…待て…じゃああんたが、オレの名付け親?」
「一応、そういうことになるかなぁ」
『…大志のお父さんとお母さんとは、どういう関係だったんですか?』
姫も気になり、ついつい質問してしまう
「追ったり追われたり…三角関係だった(笑)」
「追われたり?」
「俺はゆうひちゃんが好きでー、ゆうひちゃんは斉藤が好きでー、斉藤はゆうひちゃんが好きだけど俺を追っかけてー…みたいな」
「…」
少し頭で理解できない
待て…親父が、小泉を追いかけていた…?
親父、どういう趣味してやがったんだ…!?
「指名手配犯として、追いかけられてたんだろ?」
井上が口を挟んだ
「まぁそうなんだけど」
「ああ、なるほど…指名手配犯としてか…
それなら親父も追いかけ…」
…
…指名手配犯!!!???