All Arounder
第36章 Past
『え、え!?』
「あんたマジで何者だよ…?」
大志は奇怪な生き物でも見るような目をした
「クク、それじゃあ少し時間取るけど…話そうか」
外では、すき放題に蝉が鳴いていた
ジリジリと照り付ける太陽までもが音を発しているようだったが
本堂の中にいる四人の周りは、丁度居心地のいい温度だった
――――――――――
もともと俺は、爆弾狂としてお尋ね者だった
いろんな建物も壊したし、人もたくさん殺してしまった
「その頃、自分の変なプライドを大志の父親に…斉藤に汚されてね。
どうしようもなく、斉藤を殺したかった」
一瞬見せた小泉の表情に、大志は少し身震いした
「親父が…刑事だからか…?」
「っていうか、殺したつもりが生きていたからムカついたんだ」
そして、斉藤をおびき出すために誘拐したのが
ゆうひちゃんだった
「!!
マジで!!?」
「マジで。当時はあの二人、付き合ってたのか知らないけど…結構ラブラブだったねー」
腹立つねーと、小泉は呟いた
「とりあえず、ゆうひちゃんとはその時初めて出会ったんだ」
今思えば、その時から気があったのかもしれない…