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犯行の日が来た



井上は行動を共にする男…自分では"Ｊ"と名乗っていたか…と、ある場所へ向かった




「確か…この家だったな、Ｊ」

「ああ、間違いない。ここの女だ」




井上とＪが車を止めた場所は、和をモチーフとした小さい家の前だった




少し扉に手を掛け、鍵が開いていることを確認すると

二人は一気に家の中へと押し入った







途端に耳に入る大勢の悲鳴




「なっ…!!」



予定外だった


誘拐するはずの女の家に、こんなに子供がいるとは聞いていなかったのだ





「だ…誰ですか、あなたたちは…!?」



ハキハキとした声に振り向くと、目的の女を見つけた



「(ちっせー女…)」



井上は構うことなく女の体を抱え上げ、車へと入れた



「ち…ちょっと、何するんですか…!?」




抵抗する女を無視し、井上はＪに言う



「Ｊ、ガキも入れろ!!」




「えー何でだよ？」




「勝手に警察にでもチクられたら面倒だろ!!」




「ああ、なるほど」




Ｊは納得したように頷くと、次々と子供を車にほうり込んでいった






全員乗せ終わると、二人は言われていた建物まで車を走らせた





井上はちらっと後ろの様子を窺った




子供は皆怯えてしまっている










…そりゃー、怖いよな