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All Arounder

第39章 Goddess Or Ghost




あ、しまった!!



水持って来んの忘れった!!




喉が渇き、リュックに手を伸ばしてから気がついた





「引き返してたら…あと40分…」



むりむり…死んじまうよ



どっかに自販機ないかなぁー




しかしこんな山奥に、自販機なんて物があるはずもない



道でさえないようなものだ






しかし、耳を澄ましてみると


何やら水の音がする





「…あっちか」





井上は茂みへと入っていき、そのまま真っすぐ進んだ





うっかりしていると蜘蛛の巣に引っ掛かったり
小さい虫に激突したりする



しかし、今はそれどころではない


とりあえず喉を潤さないと、干からびてしまいそうだ





「…あった」




井上の目が輝いた




次から次へと流れる水


向こうには轟々と滝が流れている




ご機嫌に岸へ急ぎ、早速手の平でお椀をつくり
水を掬い上げた




「助かったー」




と水を口につけた時に気がついた













反り返った崖の上に、裸の女が立っていたのだ




長く明るい栗色の髪は、腰もとまでかかっている




「…」





…綺麗な女…





思わず見とれてしまった






井上は、遠くに見える女に目を奪われたのだ












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