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つい手を振ってしまいそうになったが、井上は思い止まった



…待てよ


何でこんな山奥に


女が

裸で

一人で

崖の上に立ってんだ？




しかも、遠目から見てもかなり美人だし…



あ、あれか


女神様か



なるほどなー…




などと馬鹿な考えを巡らせていると、女は崖っ縁ギリギリまで歩んだ




「おいおい…」




あの高さから落ちたら、死ぬんじゃねーか…？




まさか…





女はそこから飛び降り、頭から水中へ落下した



「っ…!!」




ドボンッ!!

と特に派手に水しぶきを上げることもなく
女は姿を消した




女神様が落ちた…!!とか冗談言ってる場合じゃねー!!



井上は上の服だけ全て脱ぎ捨て、自分も水の中へと飛び込んだ




女が落ちた地点まで泳ぎ、息を大きく吸って潜り込んだ




水は澄んでいて綺麗だった


滝のせいでか底が掘れ、かなり水深が深かったが

視界が悪いということはなかった





そして、時間が止まっているかのように
女は水中を漂っていた





「っ…」





井上は一気に潜っていき、女に近づいた