All Arounder
第44章 Is There No Love?
『大志って…チュー好きなの?///』
「うん、姫だから」
少しずつ体を倒しながら
一層深く
一層熱いキスをした
『ん…///』
ベッドに倒れた姫は、大志の舌が入ってくると、少しだけ体を反り返らせた
「姫…好き///」
『…うん///』
キスしていた口を少しずつ下へずらしていく
「姫も…言って、好きって」
『…き』
「聞こえねぇ」
『…』
「…姫?」
ふと顔を見てみると、姫は目を閉じていた
「おい、姫?」
『…Zooo…』
寝てやがる…
「姫ー…起きろよ、カラオケのさ、続き…」
『Zooo…』
「…」
大志はチッと舌打ちし、姫の隣で横になった
こんなにまじまじと姫の寝顔を見ることが出来たのは、多分初めてのこと
何となく姫を抱き寄せ
大志も、眠りに就くことにした
―――――――――――
「あ、電気まだ消さんとって、髪乾かしたいねん」
電気のスイッチに手をかけた井上は、「ああ…」と返事して自分の寝床へ座った
「ドライヤードライヤー…」
葵は洗面所にあったドライヤーを引っ張り出して来て
コンセントへ繋いだ
「…」
何で…男の一人暮らしやのに、ドライヤーなんてあんのやろ…?
「あ…そっか…」
いつ女が来てもええように…備えたんのか…
そんなネガティブな考えしか頭に浮かばない
一応本当は、そのドライヤーは姫専用の物なのだが…