All Arounder
第46章 Examine For Examiner
しばらくすると、シゲがコーヒーを飲み終えたのか、二人は玄関に戻ってきた
千花は物置をうっかり開けられてしまわないよう、見張りを兼ねて掃除をしている
もちろん、大志と井上の靴は、しっかり本人たちが持っている
だから今のところは、大志たちの存在は気づかれていない
「正貴さんは、何か飲まれなかったのですか?」
どうでもいいことを振ってみる
「ああ」
簡単な返事だけ、受け取った
「それじゃ先輩、二階へ上がりましょう」
そのシゲの言葉で、千花はさらに確信した
正貴さんを連れて来たのは
私の浮気調査を手伝わせるためでございますか…
私は浮気など微塵もしてないというのに
許せません
しかし千花たちからしたら、斉藤たちには早く二階へ上がって欲しかった
その間に、大志と井上を逃がすことができるからである
「おい、待てシゲ」
シゲが階段を上りはじめた時、斉藤はシゲを呼び止めた