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「くっせ!!」



扉を開けてみたらどうだろうか


中からモクモクと黒煙が立ち込めてきたではないか




大志は息を止めながら、急いで中へ入った





「姫、姫!?」




見渡してみた限り、火事ではないようだ


入って来たときの煙のすごさに比べ


部屋の中はまだマシだった






台所へ向かい、そこで立ちすくむ姫の姿を見つけた





大志はホッと息を吐き、姫の近くまで寄る





「姫…よかった、焦らすんじゃねぇよ」




何事かと思った…と言いかけたとき、気づいた




姫の肩は、小刻みに震えていたのだ






「姫？」






大志は姫の腕を引き、自分の方へ向けさせた







姫の目からは、涙が伝っていた





「え、姫、どうしたんだよ!?」




突然のことに、大志は動揺する



姫は大志の腕をすり抜け、目の前にある鍋に目をやった