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その日、大志と姫はマスターにお使いを頼まれていた



何でも、調味料が切れたとか…、何に使うのかはわからないが…




無事その仕事を済ませ、今は酒場に向かっている最中



姫は意気揚々と歩いていた







『塩買ったし、砂糖買ったし、お酢買った～♪』




「その意味のわかんねぇ歌を歌うな」





『芸術にケチつけるな』





「どの辺が芸術か教えてほしいくらいだ」




などと喋りながらいると、前方でこっちを向いて立ちすくむ女の姿が見えた






『あ』







「あ」






女は少し体を震わせ、こっちへ走ってきた





「み、美空!?」





大志は驚いて目を開いた




紛れも無い


今こっちへ向かっているのは、実の妹、美空…






「お…兄ちゃぁあーん!!」





美空は泣き出しそうなのを堪えながら

大志の胸に飛び込む…前に、美空のエルボーが大志の首に突き刺さった





「連絡もなしに家出とかどういう神経してんだテメェエエー!!!!」



バキ


と、何やら嫌な音と共に


大志は地面に倒れた