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『た、大志!?』



姫は慌てて大志に駆け寄り、体を揺すった




「姫が３人いる…」




一度開けた目を手で押さえ、大志はうなだれる




しかし美空は容赦なしで、大志の胸倉を掴んだ





「馬鹿兄貴!!理由を説明しろ!!」



「は…？」




「何であたしにだけ何も言ってくれなかったの!?」



そう言い、美空は大きく息を吐いた




「…」




泣くのを

我慢しているんだろう



美空は昔っから、怒鳴ってため息をつくと

大概そのあと泣き出すのだ







「お父さんもお母さんも…全然話してくれないし…
あたしだけ…のけ者だったの…？」




予想通り


美空はその目に涙を浮かべた






「…悪かったな」




たった一人の兄妹を



心配しないわけがない







「でも家出っつぅか…親父が追い出したんだけどな」




「え、お父さんが!!?」






何だ…マジで何も言ってなかったのかよ…







「帰ったら怒らなきゃ」




美空は地面を睨みつけた



そこに、親父の顔でも思い浮かべているんだろう