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「とりあえず、帰るよお兄ちゃん」




美空はキッと顔つきを変え、大志の腕を掴んだ




「え、帰る？」




「当たり前でしょ、家に帰るんだよ」




オレが家に帰った時が、牢屋に入る時なんだよ…




「それは出来ねぇ」




大志は美空の手を払った





「…」




美空は口をポカンと開けて、こっちを見ている






「…何で…？」




「無理なもんは無理だ。それに、姫と一緒にいられるし」



大志が言うと、美空は姫の存在に今気づいたかのように
目を大きく開けた





「姫姉ちゃん!!」




遅っ





『やっほぉ美空ちゃん』




姫は軽く手を振った






「ってことで…またな、美空」




大志は、早くその場を切り上げようとした


しかし美空は
また大志の腕を掴む





「やだよ」





「…」





「もしここで別れて…それっきりになったら…
お兄ちゃんのこと許さないから…!!」





「で…でも…」






「あたしもついて行くの!!」











大志はハァッとため息をつく