テキストサイズ

All Arounder

第50章 Difference In Age



「うおっ」



後ろに倒れそうになり、咄嗟に足を下げて踏ん張った



「小泉!?」


『大丈夫ですか!?』




慌てて小泉の体を支えようとしたが

小泉は「大丈夫…」と手を出して止めた




「大したことないから、行こう」



額を押さえるようにして髪をかき上げ、小泉はゆっくりと足を進めた






「…」




またよろけやしないか、と皆心配そうな目で小泉を見たが



小泉はまた、本堂を出て倉へ向かおうとした







「無理しないでくださいね」




そう聞こえたかと思うと、背中に温かみを感じた



少し振り返ってみると、自分の背中に美空が手を添えていてくれたのだ




「…ありがと」



こっちが微笑むと、美空は何倍もの笑顔を返してくれた





「…」




親子だな






その、無垢な笑顔








もし俺が


昔みたいに



"抱きしめて"



って言ったら




君は少し照れ臭そうに




抱きしめてくれるのかな…?














目の前が 真っ暗になった







記憶はそこで






途切れた















ストーリーメニュー

TOPTOPへ