All Arounder
第50章 Difference In Age
「…美空ちゃん…?」
小泉が目を開けると、左隣からニッコリとした笑顔が覗き込んだ
「びっくりしましたよ、小泉さんいきなり倒れるんですもん」
「…」
記憶が途切れたのは、そのせいか…
「みんなは?」
「下でご飯食べ終わって、くつろいでます。
小泉さんの様子を交代で看ていようってことになって」
「…今は美空ちゃんの番ってこと?」
美空は返事をするかわりに、微笑みを返した
「ところで小泉さん、病院とか…行った方がいいんじゃないですか?」
「何で?」
「だって前も倒れたんですよね?」
「まあね」
「それならやっぱり病院に…」
「美空ちゃん」
小泉は横になった状態のまま、顔だけを美空に向けた
何かが欲しいのに、何が欲しいのかわからずにいるような
そんな小泉の目に、美空は口の端を引っ張った
「俺はもう、手を差し延べてもらってまで生きようとは思ってないよ」
「え…?」
「俺はね…もうなにも、望んじゃいけないんだ」