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狼と白頭巾ちゃん

第18章 ライラの大胆な行動

口で呼吸を整え、やっと少し落ち着いたシンは、震える声で聞いた。


「ライラ…。恥ず、かしいって、何の…こと?それに、俺が…、怒ってるって…?」


シンはまだライラを見ることが出来ず、背を向けたまま、彼女の答えを待った。









「恥ずかしかった、の…。あなたの前で、服を、ぬ、脱ぐのが……」


ぼそりと、ライラは答えた。

シンでなければ聞き取れないくらい、小さな声で。






「……は⁈」


(あんなに大胆に脱いで!しかも、俺に服を掛けろって言っておいて⁈)


シンは呆れていた。

ライラはシンの呆れ声を聞きながら、尚も続ける。


「恥ずかしかったの!で、でも濡れた服を着てるのが嫌だったから、仕方なくて…。だっ、だからせめて、恥ずかしがってるのが分からないように、声を大きくしたんだけど……」


(そういえば、服を掛けてと言ってた時、ライラはどんな顔をしてた…?)


どもりながら話すライラの言葉を聞きながら、シンは思い出そうとしていた。

けれども見ないようにと目を逸らしていたため、その時のライラの顔がボヤけて浮かんでこない。


「でも、だから、怒鳴ってるみたいになっちゃって…、シン怒って、どっかに行っちゃうのかと…」

「ライラ…⁈」

「そんなの嫌だったの!私はもっとあなたといたいし!もっとあなたのこと知りたいし‼あなたと……、もっと、キス、したいし…………」

「⁈‼」


それまで黙って聞いていたシンだったが、ライラの最後の言葉に驚いて、うっかり勢い良く振り向いてしまった。


するとそこには、目を潤ませて、顔を真っ赤に染め上げたライラが上目遣いでシンを見詰めていて…。



その瞬間、シンの鼓動はドクンと大きく跳ね、

一度冷めかけた熱が、急速に高まった。

早鐘を打つ脈は、そのまま下腹部へと容赦なく熱を送る。


「っもう…、我慢の限界、だ…!」


そしてシンは、ライラの頬へとその手を伸ばした。

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