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狼と白頭巾ちゃん

第3章 思惑と戸惑い

不安げな表情でそろそろと顔を上げる少女を、シンは木陰に隠れ、相手からは見えないよう、コッソリと覗き、観察していた。

頭巾を被り、チラチラとしか日の光が当たらない薄暗い小道で、しかし、少女のその顔は、驚くほど輝きを放っていた。

肌の色は透き通るほど白く、触れたら壊れてしまう繊細な陶器のよう。
顔の輪郭は、少女と女性の中間ほどで、頬はふっくらと、それでいて顎にかけてのラインはスッキリとしている。
瞳が大きく、二重のまぶた。
睫毛がクルンと上を向いて更にその目を大きく見せている。
小さくぷっくりとした可愛らしい鼻に、ぷるんとした唇は薄桃色をして、白い肌と合いまって色気を少女に与えていた。

更には、緊張しているせいか、頬にはうっすら赤みが増し、瞳が潤んでいる。

(なんて、旨そうな子だ……)

シンはゆっくりと、舌なめずりをした。

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