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狼と白頭巾ちゃん

第3章 思惑と戸惑い

逸る衝動を抑えつつ、シンは少女に話し掛けた。

怯えさせて逃げられたりしないように…、優しく、優しく…。

「お嬢さん、怯えなくても大丈夫ですよ。僕と話すのがイケナイなら、無理に聞き出そうとはしませんから」

シンの返事に少女はホッと安堵の息を漏らし、安心したのか、ふっ…と、柔らかい笑みを漏らした。

その笑みを見た瞬間、ドクンっ…と胸が高鳴るのをシンは感じた。

(な、んだ。この感じ、は…⁈)

胸に手を当てると、それまでの落ち着いた拍動が、ウソの様にトクトクと早まっている。

それまでも、獲物を仕留めようと気持ちが高まる時には、胸の高鳴りを覚えたことは何度もあった。

しかし、今の其れは、明らかに今迄とは少し違っていたのだ。

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