狼と白頭巾ちゃん
第23章 選び取る明日
その後…、
村中総出でライラの行方を探したのだが、
どれだけ探しても、
誰一人としてライラを見つけることは出来なかった。
ただ、
花の季節になると、
時折、ライラの家の玄関先に一輪の花が届けられ、
何故か母親は、
それがライラからの贈り物だと思えた。
見たことも無いような、綺麗な花は、
まるで、今まさに摘み取って来たかのように輝き、
その姿にライラを重ねて、
母親は微笑んだ。
『どうか、いつまでもお元気で。』
手紙の最後の言葉を、
思い浮かべながら……。
END