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狼と白頭巾ちゃん

第1章 出会い

森の小道はその日、春の暖かい日差しに包まれて、とてもとても気持ちが良かった。

だからシンは、小道の脇の木の上で昼寝をしようと、太い枝に長い足を投げ出していた。

両腕を頭の後ろで組み、幹に身体を預けると、シンの頬を緩やかに風が撫でてゆく…。

風はそのまま木の葉を揺らし、その隙間から零れ落ちる日の光は、ゆらゆらと揺れながら、シンの足の上を踊っていた。

それだけで、シンの目はもうトロンとしていた。

(気持ちいいなぁ…。もう…、寝そ……)

パキンッ!

(…⁈)

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