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狼と白頭巾ちゃん

第1章 出会い

まどろみに身を委ねていたシンの下で、突然小枝の弾ける音がした。

サク…サク…

耳を澄ますと、木の葉を踏みしめ、自分の方へと足音が近づいて来る。

(誰か、来たな…?)

先ほど迄の眠気が嘘のように、シンは神経を研ぎ澄ませていた。

しかし、ここは小道の脇。

自分以外の者が通ることは当然分かっていたので、シンは落ち着いていた。

(身動きせずにいれば、気付かれる事はないだろう)

…と、体勢もかえず、鋭い目だけを眼下に落としていた…。

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