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狼と白頭巾ちゃん

第5章 花吹雪

「どうすれば、どうすればおばあちゃん、元気になるの⁈」

ライラは興奮して聞いた。

「う〜ん、ちょっと待ってて?」

と言うと、ガサガサッと云う音を立てて、シンらしき影は、あっという間に、木の向こうに消えてしまった。

その突然の出来事に、ライラはびっくりして放心してしまったのだが、ハッと気が付いて、それから慌ててシンの名を呼んでみた。

「シンさ〜ん?ドコに行ったの〜?シンさーん⁈」

何度か呼びかけたが、ライラの声は、風に吹かれてサヤサヤと揺れる木立に、虚しく吸い込まれてゆくばかりだった。

(どうしよう。待っててって言ってたけど、いつ迄待っていればいいんだろう)

シンの気配がしていた辺りを暫く考えながらウロウロしていると、またガサガサッと云う音がして、次の瞬間、ライラに花が降ってきた。

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