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狼と白頭巾ちゃん

第6章 淡い想い

シンは、少女の事をもっと知りたいと云う欲求に駆られていた。

今はその手の中の花の香りを楽しんでいる彼女に、どうすればもっと近づく事ができるだろう、どうすればもっと彼女と一緒に居れるだろうかと、思いを馳せていた。

ふと気が付くと、少女の手が掴んでいる花は数が少なく、余りにもお粗末に見えた。

そこでシンは思い付き、少女に声を掛けた。

「ねぇ、ちょっとイイかい?」

「え?」

少女は花から顔を上げ、笑顔のまま、シンが居るであろう木の上に返事をした。

「君、お婆さんを元気にしたいんだよね?」

「えぇ、そうよ?」

「じゃあ、俺にもっと良い案があるんだけど、聞いてくれるかい?」

少女は、更に笑顔になった。

(……可愛い///)


シンは少女の眩しさに目眩を覚えるほど、いつしか少女の事が、好きになっていた。

けれど、同時に、その想いが報われることが無いであろう事にも、彼は気が付いていたのだった…。

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