狼と白頭巾ちゃん
第7章 誘う声
「俺はね、お嬢さん…。この森のずっと奥で、独りで暮らしてる。何故なら、俺がとても醜い姿をしているから。…それこそ誰もが怯えて逃げてしまうほどにね。だからこそ、俺は君に姿を見せる事は出来ない。でも、俺は君に危害を加えるつもりはないんだ。だから安心してくれ。
ただもし君が、君以外の誰かに俺の事を言ってしまったら、きっと俺はこの森には居られなくなるだろう。出来れば、誰にも俺の事は話さないでくれ。勿論、今日の出来事も、全て」
静かに話すシンの言葉を、ライラはただじっと聞いていた。
「……………」
「……っ、だからっ…!君は多分、俺に自分のことを話そうか迷っているんだろうと思うけど、無理に話す必要は無いし、君のお婆さんの事も、今日のこの出来事も、君から話さなければ、俺以外の誰にも伝わる事は無いんだ…」
だから…、安心して……?と、シンは少し悲しそうに話した。
シンには確かに、目の前の少女ともっと近づきたいという些細な下心があったが、すでに彼女を襲う気など無かったし、彼の言葉は本心からのものだった。
だから、その言葉と声には、とても真摯な気持ちが込められていた。
けれど、シンは不安だった。
この少女に、自分の想いが正しく伝わっているだろうか、と。
そして、もし正しく伝わっていたとしても、彼女が今すぐ自分の前から消えてしまったとたら…。
ただそれも仕方の無い事だ、と、シンは諦めていて、だからこそ、その声には悲しみが浮かんでいたのだった……。
ただもし君が、君以外の誰かに俺の事を言ってしまったら、きっと俺はこの森には居られなくなるだろう。出来れば、誰にも俺の事は話さないでくれ。勿論、今日の出来事も、全て」
静かに話すシンの言葉を、ライラはただじっと聞いていた。
「……………」
「……っ、だからっ…!君は多分、俺に自分のことを話そうか迷っているんだろうと思うけど、無理に話す必要は無いし、君のお婆さんの事も、今日のこの出来事も、君から話さなければ、俺以外の誰にも伝わる事は無いんだ…」
だから…、安心して……?と、シンは少し悲しそうに話した。
シンには確かに、目の前の少女ともっと近づきたいという些細な下心があったが、すでに彼女を襲う気など無かったし、彼の言葉は本心からのものだった。
だから、その言葉と声には、とても真摯な気持ちが込められていた。
けれど、シンは不安だった。
この少女に、自分の想いが正しく伝わっているだろうか、と。
そして、もし正しく伝わっていたとしても、彼女が今すぐ自分の前から消えてしまったとたら…。
ただそれも仕方の無い事だ、と、シンは諦めていて、だからこそ、その声には悲しみが浮かんでいたのだった……。