狼と白頭巾ちゃん
第11章 一面の花園
ライラはきょろきょろと辺りを見回したが、当然シンの姿は見当たらない。
どれくらいの時間自分は花を摘んでいたのか、自分が何処から進んで、今居るのは何処なのか。
夢中になりすぎて、彼女は全く分からなかった。
辿り着いた時に見た景色が、今は全く違ったものに彼女には見えた。
ライラの背中に一筋の寒気が走り、それで彼女は急に怖くなって、大声で叫んだ。
「シンー!どこ〜〜〜⁈」
ライラの澄んだ高い声が、辺り一面に響いた。
自分の声が、風に吸い込まれるようにして消えてゆく…。
その心許なさに、不安感が膨らみかけた時、
「ライラ、俺はここだよ」
シンの落ち着いた声が、近くの木の茂みから聞こえてきた。
ホッとして泣きそうになってしまったライラを落ち着かせるように、シンは優しく声を掛けた。
「さ、そろそろ行こう?あんまり遅くなって、ライラのお婆さんが心配しては、いけないからね」
幾度か深呼吸すると、気持ちが落ち着いてきたので、ライラはこくんと頷いて、またシンの声を頼りに、彼に続いて森の中へと入っていった…。
どれくらいの時間自分は花を摘んでいたのか、自分が何処から進んで、今居るのは何処なのか。
夢中になりすぎて、彼女は全く分からなかった。
辿り着いた時に見た景色が、今は全く違ったものに彼女には見えた。
ライラの背中に一筋の寒気が走り、それで彼女は急に怖くなって、大声で叫んだ。
「シンー!どこ〜〜〜⁈」
ライラの澄んだ高い声が、辺り一面に響いた。
自分の声が、風に吸い込まれるようにして消えてゆく…。
その心許なさに、不安感が膨らみかけた時、
「ライラ、俺はここだよ」
シンの落ち着いた声が、近くの木の茂みから聞こえてきた。
ホッとして泣きそうになってしまったライラを落ち着かせるように、シンは優しく声を掛けた。
「さ、そろそろ行こう?あんまり遅くなって、ライラのお婆さんが心配しては、いけないからね」
幾度か深呼吸すると、気持ちが落ち着いてきたので、ライラはこくんと頷いて、またシンの声を頼りに、彼に続いて森の中へと入っていった…。