狼と白頭巾ちゃん
第11章 一面の花園
それからライラは、夢中で花を摘んだ。
見たこともないような綺麗な花達が、其処彼処に咲いていて、ライラは興奮を抑えきれなかった。
時折思い出した様に摘んだ花の匂いを嗅ぎ、また新しい花を見つけては、駆けていってその花を摘んだ。
そうして暫くしていると、ライラの腕の中には、抱えきれない程の花の束が出来ていた。
ライラはその花束を見ながら、何事か考えていたのだが、ふと思い立ったように花を地面にそっと降ろすと、被っていた白頭巾を両手ではらりと脱いだ。
すると、頭巾に隠されていた彼女の、栗色の髪が露わになった。
ライラは、自身の胸の少し上まで伸びた、柔らかそうなその栗色の髪をふたつに分けてお下げにしていたのだが、そのお下げの先には彼女お気に入りのピンクのリボンが巻かれていて。
ライラはその片方をするりと解くと、花束の下の方を纏めるようにして巻き、キュっと縛ったのだった。
そして、出来上がった花束を見つめて、ムフッと満足そうな鼻息をもらし顔を綻ばせると、そこで、ようやく自分がシンの存在を失念していたことを、思い出したのだった。
見たこともないような綺麗な花達が、其処彼処に咲いていて、ライラは興奮を抑えきれなかった。
時折思い出した様に摘んだ花の匂いを嗅ぎ、また新しい花を見つけては、駆けていってその花を摘んだ。
そうして暫くしていると、ライラの腕の中には、抱えきれない程の花の束が出来ていた。
ライラはその花束を見ながら、何事か考えていたのだが、ふと思い立ったように花を地面にそっと降ろすと、被っていた白頭巾を両手ではらりと脱いだ。
すると、頭巾に隠されていた彼女の、栗色の髪が露わになった。
ライラは、自身の胸の少し上まで伸びた、柔らかそうなその栗色の髪をふたつに分けてお下げにしていたのだが、そのお下げの先には彼女お気に入りのピンクのリボンが巻かれていて。
ライラはその片方をするりと解くと、花束の下の方を纏めるようにして巻き、キュっと縛ったのだった。
そして、出来上がった花束を見つめて、ムフッと満足そうな鼻息をもらし顔を綻ばせると、そこで、ようやく自分がシンの存在を失念していたことを、思い出したのだった。