狼と白頭巾ちゃん
第13章 重ねる逢瀬
タッタッタッタッタッ…
「ハァハァ、ハァ…」
荒い息遣いで、少女が森の小道を駆けてくる。
シンの大きな耳には、随分前からその息遣いが届いていた。
(一体どれだけの距離走って来てるんだろう…、途中で一度小さく声を上げたのは、まさか、転んだとか…?)
そんな心配をしつつも、彼の胸は期待に高鳴っていた。
何故なら、少女が走っている理由を、彼は知っていたから。
しかし、そんな胸中をおくびにも出さず、彼はここ最近お気に入りにしている木の上で、のんびり足を伸ばし目を閉じて、形だけの昼寝をしていた。
やがて少女の軽やかな足音が、シンのいる木の下辺りまでやってくると、足音はピタリと止み、代わりに澄んだ高い声が辺りに響いた。
「シン〜。来たわよ〜!」
その声でガバッと起き上がり、サッと木の下の木陰に降りると、シンは嬉しそうに声を掛けた。
「待ってたよ、ライラ!」
シンとライラは、ここ数日毎日そうしていたように、今日も森の奥の花園へと連れ立って行った。
「ハァハァ、ハァ…」
荒い息遣いで、少女が森の小道を駆けてくる。
シンの大きな耳には、随分前からその息遣いが届いていた。
(一体どれだけの距離走って来てるんだろう…、途中で一度小さく声を上げたのは、まさか、転んだとか…?)
そんな心配をしつつも、彼の胸は期待に高鳴っていた。
何故なら、少女が走っている理由を、彼は知っていたから。
しかし、そんな胸中をおくびにも出さず、彼はここ最近お気に入りにしている木の上で、のんびり足を伸ばし目を閉じて、形だけの昼寝をしていた。
やがて少女の軽やかな足音が、シンのいる木の下辺りまでやってくると、足音はピタリと止み、代わりに澄んだ高い声が辺りに響いた。
「シン〜。来たわよ〜!」
その声でガバッと起き上がり、サッと木の下の木陰に降りると、シンは嬉しそうに声を掛けた。
「待ってたよ、ライラ!」
シンとライラは、ここ数日毎日そうしていたように、今日も森の奥の花園へと連れ立って行った。