禁断の兄妹
第1章 風間家
「衣鶴~!!」
「ぉ、お兄ちゃんっ!?」
帰り道、
優馬おにぃ鉢合わせしてしまった。
「風間の兄ちゃん?」
「う、うん!」
「お前、誰だよ!衣鶴にそんなくっつきやがって。狙ってんのか?」
「お兄ちゃん!!やめてよ!」
「言っておくがな、衣鶴は誰にも譲らねぇ。俺の愛情をなめんなっ!」
すると優馬おにぃは私の唇に自分の唇を重ねた。
「っ!?
ぉ、お兄ちゃん…ッ…だ、めっ…」
「こいつに、分からせてやるんだよ!」
「ん…あぁン……」
道端で、しかも大好きな海くんが見ている前でディープキスをした。
「んんっ…ぁ…ぁぁッ…」
「可愛いだろ、衣鶴は……。だから、衣鶴は誰にも渡さない。お前達が、愛し合っていようが」
「いゃ…ッやめ…て、
ぉ兄ちゃん……ッんんっ」
いやっ!
海くんが見てるのに…!
こんな姿……。
もう、やめて!!!
「興味ねぇよ」
「は?」
優馬おにぃは唇を離し
海くんを睨みつけた。
「風間には興味なんかねぇ」
「……っ」
そんな…ッ
私、ずっと好きだったのに…
「風間はただのクラスメイト。俺は他に好きな奴がいる。ただお前が勘違いしただけだろ」
「……テメェ…ッ」
優馬おにぃは拳を握りしめた。
「………お兄ちゃん…帰ろ…?」
「衣鶴……」
「じゃあね、海くん…。
迷惑掛けてごめん…」
こうして、私の初恋は儚く終わった。
優馬おにぃのせいではないが、私は海くんの言葉が心に刺さりっぱなし…。