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最後の星

第6章 最後の星

あたしは屋上に無理いってきさせてもらった。
ベッドのままだったので丁度空が見えていた。

「ねえ先生…。
あたし今日でいなくなるんだね」
「えっ!?」

もう分かっていた。
こんなボロボロな体じゃ何もできない。

最後に星を…。
星に願いを…。

もうだめだよ…
この世界にいても苦しいだけ。

もういいんだ…。

「楽にさせて」


その言葉を呟き彼女は一筋の涙をこぼす。
その涙は星のように輝いて…目を閉じた。


ピーーーーッ。


あたしはもうじきいなくなる。
この音が鳴ったから。

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