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2つのグラス

第2章 出張


金曜日
キャリーバック片手に
東京駅に向かった。


久々の出張。
なぜか胸が高まる。


中川さんを見つけた。

中川さんは相原部長の
部下で部長にこき
つかわれている。


いじられキャラ。


中川さんと話ながら
部長を待った。


10分後

「すまんすまん」

と歩いてくる部長が
見えた。


スーツにメガネ

奈央はその姿に弱い。
にっこり笑ってご挨拶。



新幹線に乗り込み
3列席に座った。


通路側に中川さん
真ん中に部長
窓側に奈央


レディファーストと
言われ通された。


お弁当食べたり
新聞を読んだり
仕事の話をしたり
していたが、
静岡を過ぎると
皆ウトウトし始めた。


奈央はそれほど眠くなく
窓から外を見て
iPodを聞いていた。



突然片方のイヤホンを
取られた。


「何聞いてるの?」

と言い部長は自分の耳
に差し込む。


最近の歌はわからない
といい苦笑い。


「じゃあ…これは?」

と曲を変えた。


部長がカラオケで
良く歌う尾崎豊。


「いい選曲!」

と笑顔でこっちを見た。
部長があまりによく
歌うので覚えておこうと
入れておいたのだ。



10分くらいすると
部長はうつらうつら
眠り始め、それと同時に
奈央は膝に温かい
温もりを感じた。


部長の膝が奈央の
足に当たっている。


奈央は
その温もりに幸せを
感じた。



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