2つのグラス
第2章 出張
部長の胸の中は温かい。
鼓動が聞こえる。
鼓動が速い。
時が止まったように
思えた。
部長の顔を見た。
部長はオデコにキスを
した。
「後悔しない?」
「うん。」
奈央は目をつぶった。
軽くキスを交わす。
もう一度目を合わせ、
目をつぶる。
優しいキスをした。
何回もした。
だんだんと激しくなり、
部長は舌をいれてきた。
とろけるような
キスだった。
何回も何回も。
一度キスを止めた。
目を見て奈央はつぶやく
「何で?」
部長は困ったように答えた
「何で…
理屈じゃないんだよ。
山下でも柴田でも
ないんだ。
お前が良かった。
上手く言えないが…」
「でもね部長。
私も分かる気がします。」
もう一度キス。
「なぁ…いいか?」
もう止めることは
出来なかった。