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愛・・・悲しみ

第2章 騙し騙され



「いいですよ。私からお話ししますね。」

見かねたのか秋崎さんが切り出した。


「単刀直入にいいますと、今回そちらの部長のミスを許すかわりにあなたに私の会社に来ていただきたい。簡単にいいますと引き抜きです。」

さらっといった。
しかしそれを聞いているはずの社長は見て見ぬふり。

すごくイライラする。
「なぜ私なのですか?」


そう、これが気になる所だ。

「いけませんか?私の直感はあたるんですよ。その直感を信じてみようと。」
私は考えた。秋崎コーポレーションは大手だ。給料が上がるのは当然だろう。そろそろこの会社も飽きてきたしちょうどいい。

「有り難くそのお話しお受けいたします。」

この時私は秋崎さんを利用したつもりだった。
しかし秋崎さんが細く微笑んでいたことに私は気づかなかった。

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