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童話 クロニクル

第5章 地道に消してこう

『私も必死になりすぎた…』

静かに俯く眠り姫を私は、ただ見つめることしか出来なかった。

「ね、眠り姫…?今頃、遅いだろうが…お願いだ…助けておくれ…」


立ち上がり、また魔女は謝罪を始める。

「何があったの」
ぐっと拳を作り声を絞り出す。
私は何かを恐れている…。それが、何か分からず怯えている……逃げたいのに、


「実は…乗っ取られ始めている…魔女の国が…」

『魔女の国!?そんなん在るの!?』

シンデレラが肩を震わせ叫ぶ。

「童話の登場人物も何処かへ消えて行っている…」

ばっ!としゃがみ込む魔女の肩は震えていた

私は、魔女と同じようにしゃがみ、魔女の肩に手を置く

「大丈夫…安心して…魔女さん…」

子供に言い聞かせるように、ゆっくり言う。

「こ…怖い、んだ…。魔女が‥消えていく‥…仲間が…消えっ……うッ!!…」

何か思いが溢れ出す様に、魔女の瞳から雫が落ちる

『……魔女…お前は仲間が大事だろ…なら、何故眠り姫の気持ちが分からない?』

シンデレラは顔を隠すようにして、ぼそりと言う。

「っ…うぅ、…す、すまな、かった…眠り姫…っう…許、しっ…うぅあ、…うぅえぇぁ!!」

泣きじゃくる魔女の背中をさする

「落ち着いて…」

「うっ…うっぐぅ、…こ、小人…達はぁ、救っ、た…うっぐぅ、」

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