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童話 クロニクル

第5章 地道に消してこう

『落ち着け、魔女。…小人は救ったんだな…』

「す、救った…捕まる、前にっ…助けっ…うぁ、くっ…」

冷静ないつもの眠り姫は、笑った。
哀しげな笑みを浮かべる眠り姫は、今にも泣きそうだった。

『ごめん…あの、眠り姫…?な、泣きたい、時は…泣けよ…?』

恥ずかしそうに言うシンデレラは此方を向き、ニカッと笑う。

『シンデレラ…』

『いゃ…あの、なんかさ…眠り姫…いつも苦しそうで、見てるこっちが…なんか…「悲しくなるんだよ…?」』

シンデレラの黙った瞬間に私は無意識に喋っていた。
驚いたシンデレラの顔と、自分の震える手が〈これが恐かったんだ〉と物語っていた。


そうか…私は…
自分の意見が、否定されることが
恐かったんだ。

自分も真実も消えれば良いって
都合良く恐がっていた


『舞…シンデレラ…ありがとう、ね…』
『無理に笑うな…』
「ごめん…、私…恐かったんだ…眠り姫もそう……でも、シンデレラのおかげで、なんか…落ち着いたじゃん?…綺麗事言って、ごめん…」

「泣きそうな顔」

えっ?

魔女がぼそりと呟き、予想外の相手に頭が混乱する

優しいんじゃん…魔女だって…

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