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お告げ~INシンガポール~

第21章 ふざけないで!

少し前に、梨絵は滝の裏にスペースを見つけていた。

そこには、螺旋状の階段がありどこかに続いている。

後ろを振り返ったが、誰もいない。
時間も無いし、ひとりで先に進むことにした梨絵である。

階段は思っていたより、短くすぐに底に降り立つことが出来た。


真っ暗な世界。
光が届かないようで、自分の手も見えない。

その時、ポケットの携帯がなりだした。

メールが来てる。
しかし、梨絵はメールに目もくれず携帯のライトをつけた。

ようやく、わずかではあるが周りが見渡せる。

「キャッ!」
近くで悲鳴が聞こえた。
しかも下から。
ライトを下に向けると、2人の女の子とひとりの男の子が水槽の中に縛られていた。

水が常に注がれており、もうすぐ顔に届くぐらいにまで水位が上がっていた。

「真衣ちゃん?」

ひとりの女の子が頷く。


…どうしよう
見たところ足はつくだろうけど、多分足も縛られてるんだろうな…
腕はほどけるかもしれないけど、足は…

携帯も防水とはいえ、完全な水中には耐えられない。
暗闇での作業になる。

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