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なつのおと

第4章 雨が降る



でもなんでそんな人が結ちゃんを送るのだろう?


「あ、そうだ。お兄、傘持って行かなかったでしょう?」


「うん忘れた。結傘いらないなら貸して」


そこで結ちゃんはちらりと傘を持つ田中さんと持たない俺を見てから再び口を開いた。


「…先生、あたしやっぱいーや」


「え、結乗ってかないの?」


ここにきてはじめて口を開いたのは先生の隣にいるふわふわした栗色の髪を持つ女の子。


鞄にはちょっと大きめのブタのぬいぐるみがついている。


心なしか先生との距離が近い気がするんだけど…気のせいか?


「晴香ごめん誘ってくれてありがと!お兄と相合い傘して帰るから大丈夫」


「はあ!?」



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