なつのおと
第6章 ハナビが散る空
最近は図書室に遊びに行くだけではなく、本も借りている。
音楽室で田中さんがピアノを弾いている間に読むのだ。
もちろん田中さんがピアノを弾いている姿をじいっと見ている場合もあるけど、田中さんは本もすごく好きだと知って読むようになった。
この間はじめて本を借りた時は、まっちーにすごく驚かれた。
熱でもあるのか、と。
半ば本気で。
いつも図書室には寝にくるかまっちーと話しにくるかだったし
自分でも自主的に本を読む日が来るとは思ってもなかったから、そう反応されても不思議じゃない。
でも、読みはじめてみるとこれが意外にも面白いのだ。